TOPへ

子どもの泌尿器科

子どもの泌尿器科疾患

子どもの泌尿器科とは子どもの泌尿器科では、男女共通の症状であるお漏らしや夜尿症、水腎症をはじめ、男の子特有の症状である性器の形態異常や精巣の問題などに対して診療を行っています。子どもの泌尿器科疾患には、成長に伴って発症するものや成長によって症状が改善するもの、早期治療が必要なものや経過観察しながら適切な治療時期を見定めた方が良いものなど、多岐に渡ります。

子どもの泌尿器疾患の疑わしい症状としては、お漏らしをする、尿の勢いが弱い、強くいきまないと排尿できない、排尿中に尿が途切れる、排尿の時間が長い、高熱を繰り返すなどが挙げられます。また、男の子の場合では、性器の形状に異変がある、尿の出る場所が通常と異なる、陰のうの中に精巣が見当たらないなどがあります。

症状によっては早期発見・早期治療が必要なケースもありますので、気になる症状が現れた際にはできるだけお早めに当院までご相談ください。

お子様がこのような症状を
お持ちの方

男の子の症状

男の子の症状

  • 夜尿症(おねしょ)
  • 昼間のお漏らし
  • 尿に異臭がする、尿が赤色・
    茶色などに変色している
  • 尿の勢いが弱く、排尿に時間がかかる
  • 強くいきまないと排尿できない
  • 排尿中に頻繁に尿が途切れる
  • 精巣(睾丸)が腫れている
  • 精巣(睾丸)を痛がる
  • 精巣(睾丸)が陰のう内に触れない
  • 亀頭や包皮が赤く腫れて痛みを伴う
  • 尿がおちんちんの途中から出ている
  • 尿路感染症を繰り返している
  • 高熱を繰り返す

など

女の子の症状

  • 夜尿症(おねしょ)
  • 昼間のお漏らし
  • 尿に異臭がする、尿が赤色・
    茶色などに変色している
  • 尿の勢いが弱く、排尿に時間がかかる
  • 強くいきまないと排尿できない
  • 排尿中に頻繁に尿が途切れる
  • 股にかゆみや痛みが生じる
  • 尿意を催しても上手に排尿できない
  • 排尿時に痛みが生じる
  • 血尿が出る
  • 尿路感染症を繰り返している
  • 高熱を繰り返す

など

主な子どもの泌尿器科疾患

おもらし・おねしょ

夜尿症(おねしょ)

子どものおねしょ(夜尿症)は、「5歳以上で1か月に1回以上の頻度で夜間睡眠中の尿失禁を認めるものが3か月以上つづくもの」と定義されています。7歳児における夜尿症の児童の割合は10%程度とされ、その後は年間15%ずつ自然に治るとされますが、0.5~数%は夜尿が解消しないまま成人に移行するといわれています。

夜尿症の原因としては、①睡眠中に膀胱がいっぱいになっても、尿意で目を覚ますことができないという覚醒障害、②睡眠中の膀胱の働きが未熟である(膀胱の容量が小さい、ある程度膀胱に尿が溜まると膀胱が勝手に収縮してしまう、など)、③夜間の尿の生成が多い(夜間多尿)ことが重なることで発生すると言われています。また、他の要因としては、発達の遅れ・遺伝的要因などが挙げられます。

治療は、生活指導や行動療法、薬物療法やアラーム療法などで改善を図ります。

腎臓の病気

水腎症

尿は腎臓で作られ、尿管・膀胱・尿道を通して体外に排泄されますが、この経路のどこかに通過障害が生じ、停滞してしまっている尿が原因で腎臓が腫れる状態を水腎症と言います。小児に多くみられる水腎症は、生まれつき腎臓から尿管に移る部分(=腎盂尿管移行部 )が狭いことによる水腎症が最も多い原因です。また、一般に男児に多いとされています。診断は超音波検査などで行います。最近は出生前の超音波検査で発見される場合もあり症状がなく経過する場合もありますが、腹痛や尿路感染などの症状で発見される場合もあります。

軽度な水腎症はそのほとんどは自然治癒しますが、高度な水腎症では腎機能の低下がないかどうかの検査などが必要です。そして、中には手術治療が必要になる場合もあるため、早めに、且つ、定期的に医療機関を受診して状態を確認することが大切です。

膀胱の病気

膀胱尿管逆流症(VUR)

膀胱尿管逆流症(VUR)は、小児の尿路系に見られる重要な疾患です。正常では腎臓で作られた尿は腎臓から尿管、膀胱へ一方向に流れますが、膀胱尿管逆流症は膀胱に溜まった尿が尿管や腎臓の方向に逆流を起こす病気です。

膀胱尿管逆流症のほとんどは尿の感染をきっかけに発見されます。また、有熱性尿路感染(急性腎盂腎炎)を起こした小児の30~50%に膀胱尿管逆流症が発見されます。

膀胱尿管逆流症にともなう腎障害は逆流性腎症と呼ばれていますが、逆流性腎症は小児期から若年者の末期腎障害の原因として5-6%を占めることが知られています。小児期に発熱を伴う尿の感染などを認めた際には膀胱尿管逆流症を発症している恐れがあるため、できるだけ早く医療機関を受診してください。

神経因性膀胱

神経因性膀胱は、中枢神経系(脳・脊髄)や末梢神経の障害によって膀胱の蓄尿・排尿機能に異常が生じる状態です。小児の場合、主な原因疾患として二分脊椎・脳性麻痺・仙骨形成不全・脊髄損傷・髄膜炎・脳腫瘍などがあります。

主な症状としては、尿失禁・排尿困難・尿閉・頻尿・繰り返す尿路感染などが挙げられます。また、尿が膀胱に長時間蓄積されることで、尿路感染症や腎機能障害を併発する恐れもあります。従って、気になる症状が現れた際にはできるだけ早く医療機関を受診し検査を行うことが大切です。

男の子特有の疾患

おちんちんの病気

包茎

亀頭(おちんちんの先)を出せないものを真性包茎と言い、包皮をめくって亀頭を出せるものは仮性包茎と言います。一般的に包茎といえば真性包茎を指します。しかし、小児の包茎は病気ではなく、生理的な状態です。新生児ではほぼ100%が包茎の状態で、年齢と共に自然に改善していきます。

思春期までに多くの場合自然に改善し、生後6か月で5%未満、11~15歳で63%が亀頭を全て露出できるようになるとされています。

亀頭包皮炎

亀頭包皮炎とは亀頭とその包皮に炎症が起こる状態の病気で、子どもだけでなく成人男性でも発症します。主な症状は亀頭の腫れや赤み、かゆみ、ただれ、膿、排尿障害などが挙げられます。

発症の原因は、適切な衛生管理ができていない、感染、アレルギー反応、皮膚への過剰な刺激などが考えられています。また、包茎の場合は亀頭に汚れが溜まりやすいため、いったん症状が治まっても再発を繰り返す特徴があります。

亀頭包皮炎は放置すると症状が悪化する恐れがあるため、気になる症状が現れた際には速やかに医療機関を受診して治療することが大切です。

尿道の病気

尿道下裂

尿道下裂とは、尿道が陰茎の先端(亀頭)まで形成されず、陰茎腹側(本人から見ると陰茎の裏側)におしっこの出口(尿道口)がある状態です。尿道下裂の原因は明らかではありませんが、正常出生体重児と比較し、低出生体重児に多いことが分かっています。

症状としては、排尿の際に尿が飛び散る、立って排尿できないなどがみられます。

成長に伴う自然軽快はないため手術を検討します。

陰のうの病気

陰のう水腫

小児の陰のう水腫は、おなかの中と陰のう内につながる通路があり、おなかの中の水(腹水)がその通路を通って、陰のう内に溜まることで起こります。

原因は、胎児期に精巣が腹部から陰のうに降りたあとに腹膜が適切に閉じないことで、おなかの水が陰のうに流入することによります。

陰のう水腫は、小児の場合は上記のような先天性のものが原因であることが多いですが、中には後天的に成人で発症するケースもあります。

精巣の病気

停留精巣

精巣は胎生期におなかの中で発生し、その後、妊娠の経過とともに下行し妊娠30週くらいで陰のう内にまで下降します。下降の過程で正常な位置まで到達せず停留した状態が停留精巣です。

精巣が正常に機能するためには、比較的温度が低い陰のう内にある必要があり、停留精巣や一部の移動精巣では不妊や精巣捻転、精巣腫瘍のリスクが上昇するため、手術療法などを検討します。

停留精巣に対する手術の時期は1才前後が望ましいと考えられていますので、気になる症状がある場合には早めに医療機関を受診して状態を把握しておくことを推奨します。

移動性精巣
(移動精巣/遊走精巣)

移動性精巣とは、精巣が陰のうと鼠径部を行ったり来たりする状態です。つまり、精巣が陰のうの中にあったりなかったりする状態です。

移動性精巣の場合は手術が必要となることはあまりありません。しかし、精巣の挙がってしまう程度が強い場合は、停留精巣と同様に手術が必要になることもあります。

精巣捻転

精巣捻転とは、精巣が回転して血管などがねじれてしまった状態で、精巣への血流が妨げられる病気です。発症すると、血流が妨げられることで精巣が壊死することもあり、その場合には精巣の摘出が必要になることがあります。主に思春期の青少年に多く見られる傾向がありますが、どの年齢でも起こる可能性があります。

主な症状は、陰のう部の激しい痛み、陰のうの腫脹、吐き気、嘔吐、ときに発熱などを伴うこともあります。

精巣捻転は発症から6時間以内であれば精巣救済率が高いとされているため、症状が現れた場合には早急に医療機関を受診する必要があります。

ご予約・お問い合わせ

まずはWEBまたはお電話にてご予約ください。
お問合せは電話よりお願いします。