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尿漏れ・尿失禁

尿漏れ・尿失禁

尿漏れ・尿失禁尿失禁は、自分の意思とは関係なく尿が漏れてしまうことと定義づけられ、40歳以上の女性の4割以上が経験してしますが、羞恥心により我慢されている方が多いと言われています。
また、男性にもしばしば見られます。気になる症状が現れている場合には、ぜひ一度当院までご相談ください。

尿漏れ・尿失禁の種類と原因

腹圧性尿失禁

腹圧性尿失禁とは、重い荷物を持ち上げた時、咳やくしゃみをした時など、お腹に力が入った時に尿が漏れてしまう尿失禁です。腹圧性尿失禁の病態には多くの因子(尿道を支持する組織、膀胱頸部の機能、膀胱、 尿道、骨盤底の神経や筋肉の機能など)が関与しています。
なお、40代以上の日本人女性の40%以上は尿失禁を経験していると言われています。

切迫性尿失禁

切迫性尿失禁とは、尿がしたくなるとトイレまで我慢できずに漏れてしまう尿失禁です。
米国における調査では、1998 年に尿失禁がない 51~74 歳の女性を 10 年後に再度調査したところ、尿失禁は 37.2% に発症しており、そのうち 49.1% が切迫性尿失禁と報告されています。また、日本での調査でも、40歳以上の成人における 過活動膀胱(OAB)の頻度は 12.4%(男性 14.3%、女性 10.6%) であり、女性において切迫性尿失禁を伴う人は 81% であったとの報告があります。

溢流性(いつりゅうせい)尿失禁

溢流性尿失禁とは、尿が出しにくいことが原因で尿が膀胱からあふれて出てしまう尿失禁であり、尿が出にくくなる排尿障害が必ず併存します。排尿障害を起こす代表的な疾患には前立腺肥大症がありますので、溢流性尿失禁は男性に多くみられます。また、直腸がんや子宮がんの手術後などに膀胱周囲の神経の機能が低下してしまっている場合にもみられます。

機能性尿失禁

機能性尿失禁とは、排尿機能は正常にもかかわらず、身体運動機能や認知機能など精神機能の低下により起こる尿失禁です。
たとえば、歩行障害のためにトイレまで間に合わない、あるいは認知症のためにトイレで排尿できない、といったケースです。

尿漏れ・尿失禁の原因

尿漏れや尿失禁は泌尿器科疾患が原因と思われがちですが、他のことが原因で引き起こされることもあります。
特に分娩・肥満・加齢などについては重要なリスク因子と考えられています。 

  • 分娩(出産回数、経腟分娩)
  • 肥満/高BMI
  • 加齢
  • 泌尿器領域の疾患(前立腺肥大症、前立腺がんなどの骨盤内の手術後、尿路感染症)
  • 小児時のお漏らし
  • 激しいスポーツ
  • 糖尿病
  • 慢性呼吸器疾患
  • 便秘
  • アルコール摂取
  • 喫煙
  • 高血圧
  • 薬の副作用
  • 精神的要因

尿漏れ・尿失禁の治療

治療法は尿失禁の種類や原因によって異なります。
主な治療法には以下があります。 

保存的治療

骨盤底筋訓練

骨盤底筋訓練は女性の尿失禁治療の第一選択となります。腹圧性尿失禁に対する効果が高いという報告が多く、また、切迫性・混合性尿失禁にも有効とされています。また、副作用はほとんどみられません。

生活習慣の改善

体重の減少、便秘の改善、過度のコーヒーやアルコール摂取の改善、水分摂取制限、長時間の坐位や下半身の冷えを避ける、適度な運動など

薬物療法

腹圧性尿失禁に対して、β2 アドレナリン受容体作動薬(クレンブテロール)、漢方薬 など

手術療法

腹圧性尿失禁に対する手術療法は、行動療法や薬物療法の効果が不十分な場合に考慮されます。標準術式は、TVT 手術やなどの中部尿道スリング手術となります。

当院では手術が望ましいと判断した場合、連携する高次医療機関を紹介いたします。

尿失禁を認めたら一人で悩まずに泌尿器科を受診しましょう

泌尿器科を受診しましょう 尿失禁は、40歳以上の女性の4割以上が経験していると言われておりますが、我慢をしている方がほとんどともいわれています。腹圧性尿失禁は女性の尿失禁では最も多く、週1回以上経験している女性は500万人以上とされています。

ところが、2002年の過活動膀胱の調査とはなりますが、医療機関を受診していたのは22.7%にとどまり、とくに女性では7.7%と受診率が低いことが明らかとなっています(男性の受診率は36.4%)。この状況は2023年に行われた調査でもさほど変わっておりませんでした。
尿失禁を認めると、周囲への気まずさなどで自己肯定感が低下する、長時間の外出が困難になるなど、精神的に大きな負担を伴ったり日常生活に支障をきたすようになると言われています。
現在では尿失禁の治療法や対応策は多く開発されております。

そのため、症状が現れた際には、一人で悩まずに積極的に泌尿器科を受診し、原因の特定と適切な治療法を見つけることが、QOL(生活の質)を向上させる上で大切になります。
気になる症状を認めた際には、お気軽に当院までご相談ください。

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